第14回特別研修・紛争解決手続代理業務試験(特定社労士試験)の思い出 その3~研修の詳細感想~

 

税理士日記なのに特定社労士試験の話が続き恐縮ですが、

少しでも今年受講される方のご参考になればと思い、研修について軽くレポします。

 

1.事前に送られてくる資料について

 

研修開始の3週間ぐらい前に、社労士会から

・中央発信講義のテキスト

・中央発信講義のスライド集

・グループ研修・ゼミナールのテキスト

・日程表

・参考書籍のおしらせ

等が送られてきます。

 

特別研修についての感想をブログ等に上げてる方は結構いらっしゃって、

その方々は口をそろえて「テキストは事前に読んでおいたほうがよい」

とおっしゃってますが・・・

本当に読んでおいたほうがいいです!!

 

私は、諸先輩方のブログをあまりきちんと拝読しておらず、「テキスト」は中央発信講義のテキストのことだと思っており、それだけ一生懸命読んでいたのですが、

そっちより先に「グループ研修・ゼミナールのテキスト」を読んだほうがいいです。

 

「グループ研修・ゼミナールのテキスト」は、グループで討論する事例問題・倫理の問題や皆で作成する申請書・答弁書の元になる仮の事件の概要、および社労士法が掲載されています。

これに載っている問題、そして本試験を解くための知識を与えるために「中央発信講義」が存在します。

 

つまり、「グループ研修・ゼミナールのテキスト」を先に読み、今の自分ではわからないところ、もっと知りたいところをチェックし、

その後「中央発信講義」のテキストを読んで講義にのぞむべきだったのです・・・

 

とはいえ仕事もあるしそんなにしっかり予習できる人は少ないと思いますが・・・

 

下記は、中央発信講義のテキストの予習しかせず、「グループ研修・ゼミナールのテキスト」はグループ研修の一週間前にあわてて予習した者が書いた感想文ですので、

しっかり予習した人はこれとは違った感想になるはずということをあらかじめお伝えしておきます・・

 

2.研修の内容について

 

①中央発信講義(30.5時間)

これは皆で集まってひたすらDVDを見る会です。

項目は

・特定社会保険労務士の果たす役割と職責

・専門家の責任と倫理

・憲法(基本的人権に係るもの)

・民法(契約法、不法行為法の基本原則に係るもの)

・労使関係法

・労働契約・労働条件

 ①労働契約総論

 ②賃金体系と労働条件の変更

 ③労働時間・割増賃金等と健康上の安全配慮義務

・個別労働関係法制に関する専門知識

 ①退職、解雇、雇い止め等雇用修了の問題

 ②男女均等、セクハラ、パワハラ、非正規雇用の問題

・個別労働関係紛争解決制度

 

内容は、きちんと視聴したらすごくためになる内容ばかりですが、

生授業とは違ってDVD視聴は緊張感がなくてどうしても眠くなる・・・

 

あとDVDの収録日が結構どの科目も古くて(平成22年とか)、すでに改正されてる事項についてテキストは修正されているものの収録上では古いことを平気で言ってたりします。。

あと憲法の先生が極端な思想全開にしている部分があって面白かった。

一番印象的なのは、

「集合住宅のポストに政治ビラをポスティングするのは住居侵入になるから制限されている。これは表現の自由に反するのではないか」

というような内容をおっしゃってて、

憲法学者って一般市民と感覚が違うんだな・・・と思いました。

 

でも民法改正されたし今年の研修からはもしかしたら撮りなおしてる科目はあるかも・・・

 

しかし遠方の方をわざわざ大都市に集めて皆で見る意味あるんだろうか・・というのは常に思っていました・・・

見てるかどうかをチェックしないといけないから、PC配信にしろとは言わないが、

各支部にDVD配ってそこで見てもらえばいいんじゃ・・・

場所の問題や人員の問題もあるのでしょうが・・

 

そして中央発信講義の期間中、台風が何回も日本列島に上陸して各地で大変なことになっていましたが、皆さん大丈夫だったんでしょうか・・・

私の受けた地域は電車も止まらなかったし結果的には大丈夫だったのですが、運営さんからは前日も「気をつけてきてください」以外のアナウンスが何もなかったのでその件については結構不信感を持ちました・・・

一般的な研修だと「中止の場合は~の方法でお知らせします」的なアナウンスがあると思うのですが。。まあ中止したら振替が大変だから仕方ないのか。。

 

②グループ研修(18時間)

これはめちゃくちゃためになりました!!

グループには会社所属で人事の仕事をなさってる方や社労士バリバリの方、違う仕事をしているけど副業で社労士登録してる方などいろんな方がいらっしゃるのであらゆる立場の方の意見を聞けるのは本当に面白かったです。

時々脱線もしましたがそのときはグループリーダーの先生が軌道修正してくださいました。

18時間(3日間)の間で、

事例5問と、答弁書・申請書の検討と、倫理の検討をやらないといけないので相当時間は足りなかったと思いますが・・・時間内にできるよう捌いて下さったグループリーダーの先生は本当にすごい。尊敬します。

 

私はこのグループ研修が始まる前に

・グループの代表者になったらどうしよう。どうやってきめるの?

・グループディスカッション苦手なんだけどどうしよう

・平日集まることになったらむりなんだけどどうしよう

っていうことが心配でした。

 

グループの代表者については皆さんどうやって決められたんでしょうね・・・

立候補者がいたところもあったと聞きますが、

わが班は誰も立候補者がいなかったので、グループリーダーの特定社労士の先生が指名してくださいました。

あと、代表者以外に、「申請書・答弁書の取りまとめの人」を決めるようグループリーダーから指示がありました。

これも立候補者がいなかったら指名されたり代表者の隣の人がやることになったり・・・

 

あとグループディスカッションは割と和気藹々としているので変な意見を言っても怒られることはないし、黙っててもリーダーの先生が当ててくださったりするので大丈夫です。

 

また、平日集まることはありませんでしたが作業はしないといけませんでした。

答弁書や申請書の作成はさすがに時間内にはできないので、

皆が平日作業をして、

文明の利器、メールやラインを使ってやりとりし、完成まで持っていきました。

 

あと、いろんなブログ等で飲み会がいっぱいあって楽しかったといってる方もちらほらいらっしゃいますが

飲み会は公式には行われないし、グループの有志で開くものも基本自由参加だし、グループで行かないで社労士試験のときの受験仲間と行ってる人もいらっしゃいましたし、まっすぐ帰る人ももちろんいらっしゃいましたので飲み会が好きでない方も安心です。

私は飲み会は好きなんですが平日の睡眠時間が短かったので帰って寝たかったのと、

休日つぶれまくりな上のんだくれてるとさすがに家族に悪いので最終日だけにしときました。

 

③ゼミナール(15時間)

 これは本当に最高でした!!!!!!!!!!!!!

正直、中央発信講義のときは8万5千円とかボッタクリと思っていましたが、

グループ研修とこのゼミナールで完全に元は取ったと思います。むしろ安いかも。

労働問題を扱っておられる弁護士の先生の実務的な生の見解を教えていただける機会なんてそうそうないですし、

生授業で直接教えてもらえるので裏話なども聞けるしライブ感があり、特定社労士になった後の責任重大さと面白さが伝わってきました。

ゼミナールを一番最初にやってくれたらもっと勉強が進んだのになーと思わずにはいられない・・・

 

いろんな体験談のブログを見ると、

ゼミナールのときは弁護士の先生が受講生を当てまくって詰問したりする

とか、

受験本のまま答えたら怒られた

とか書いてあって、

めちゃくちゃビビリながら参加したのですが、

これは正直「先生による」としかいえません・・

でもそんなに怖い思いをした話は聞かなかったかも。

「楽しかった」「ためになった」という声が多かったです。

 

弁護士の先生は基本日替わりなので、1日目の先生が全然当ててこない人でも2日目は当てまくりってこともありますが、3日とも同じ先生だったクラスもあったそうです。

 

個人的には、当ててこない先生が好きでした。

当てられるのがイヤだっていうのももちろんありますが、

素人である我々受講生が答えに詰まってウーウー言ってるのを待つ時間があったら少しでも多く弁護士の先生の話を聞きたい。

 

 

上記のように、最終的には私にとってはいい経験でしたが、

やっぱり受講前にもっと予習をしとくべきだったなー