第14回特別研修・紛争解決手続代理業務試験(特定社労士試験)の思い出 その1 ~研修の概要~
去年の9月から11月まで、表題の研修・試験を受けていました。
研修中や直後はリアルに書きすぎて万一身バレしたらマズイと思いここには書いてなかったのですが、合格発表がおわったので、思い出をつづろうと思います。
1.特定研修・紛争手続代理業務試験とはなんぞや?
紛争手続代理業務試験とは、社会保険労務士が受験できる試験で、
これに合格すると、社会保険労務士名簿に合格した旨の「付記」を受けることができ、それにより「特定社会保険労務士」になることができます。
その試験を受けるためには、一年に一回行われる「特別研修」と呼ばれる厚生労働大臣が定める研修を修了する必要があります。(研修は一回修了したらOK)
特定社労士になると、普段の手続業務や相談業務に加え、
「ADR(裁判外紛争解決手続)代理業務」ができるようになります。
くわしくは↓をご参照下さい。
私の本業は税理士なので、実際に紛争手続代理業務をすることはないと思ってずっとスルーしていたのですが、
いくら手続き業務しかしてないとはいえ、労働問題についての相談はどうしてもでてくるので、ある程度は自分でも相談に乗れるようにしておく必要性を感じたのと、
この「特定研修」が後述するとおりめちゃくちゃハードなので、
自分も家族も元気なうちに受けておいたほうがいいといきなり思ったので去年受けました。
2.特別研修について
1)カリキュラム(総時間数63.5時間)
次の3つで構成されます。
基本的には一回の期間で全部受講する必要があります。
①中央発信講義(30.5時間)
これは皆で大教室にあつまってスクリーンでDVDの授業を見ます。
1日約6時間、5日間かけてやります。(去年は全部土日でした。)
②グループ研修(18時間)
事前に事務局のほうで組まれた約10人を1組としたグループと、既に特定社労士でご活躍の先生が就任されるグループリーダーとで与えられた検討課題について討論したり、用意された架空の事件について答弁書・申請書をつくっていきます。
1日6時間、3日間かけてやります。(去年は全部土日でした)
③ゼミナール(15時間)
②のグループ研修で作成した答弁書・申請書や検討課題をもとに、労働問題に強い弁護士の先生がもっと掘り下げてビシバシ教えてくださるゼミナールです。
5グループ(約50人)が一組になって行われます。
1日6時間が2日間と、紛争解決手続代理業務試験当日の午前中3時間とでやります。
(去年は1日だけ金曜日がありましたがそれ以外は土曜でした)
2)何がそんなにハードなのか?
まず、特別研修はいわゆる都会でしか開かれません。
去年は、
中央発信講義・・・札幌、青森、仙台、東京、新潟、甲府、長野、金沢、名古屋、大阪、鳥取、広島、松山、福岡、鹿児島 全15箇所
グループ研修およびゼミナール、本試験・・・札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡 全7箇所
でした。
つまり、開催地でないところに住んでいたらわざわざ遠征していかないといけないと言うことです。
土日連続のことが多かったので宿泊必須の方も多かったようです。
また、この特別研修には、
「一回でも正当な理由なく欠席したり早退したり15分以上遅刻したら、それ以前に受けた研修も全て無効となり受講料(85,000円)も返金されない」
という鉄の掟があります。
「正当な理由」とは、
・近い親族の冠婚葬祭・介護・看護(親族の範囲の親等も指定があったと思いますが忘れた)
・自分の病気(出席できないということを証明する医師の診断書が必要。診断書なしの自己判断はアウト)
・天災事変による交通機関の麻痺(証明書必要・自己判断はアウト)
などで、一般的に会社を休んだりするときよりも相当厳しいです。
1日目に開始時間を間違えていったらそこで一発アウトになった人もいるとかいないとか・・・
また、
「正当な理由」があった場合でも、
欠席日以外の研修は無効にならないが、その年の受験は認められず、翌年以降に休んだ分の補講を受けたら受験資格が与えられる、
という厳しいものでした。
そんなわけで、これを受けてた時期は、健康に留意して規則正しい生活をすべきだったのですが、
・研修は土日を使って行われるのですが、土日両方に入っている週は休み無しになる
(月曜が祝日のときもありましたが、月曜は別の研修がはいっていた。。これは自分が悪いのですが)
・ちょうど中間決算の時期にかかっていた
ということで、平日は夜遅くまで仕事だしグループ研修は予習も必要だしで睡眠時間削っててかなりフラフラでした。。
そして土日の家事は全部家族任せになるから申し訳なくて金曜の夜中に掃除したりとかしてました。。
そんなわけでグループ研修終わった後、疲れが抜けて体調の感じが元に戻るまで1ヶ月近くかかりました。
周りの人にきいてみても皆さん相当色々無理したみたいです。。。
そりゃそうだよね・・・
この試験の受験生が年々減ってることが社労士会で問題になってるみたいですが、
本気で何とかしたいならこの研修制度をどうにかするしかないのでは・・・
研修自体はとてもためになったし受講してよかったと思っていますが、
かなりきつかったので、
心から、若くて時間のあるうちに受けておくことをオススメします!!!!
3.紛争解決手続代理業務試験について
1年に1回、2時間で行われる筆記試験です。
・事例問題(70点)
・社労士倫理(30点)
で構成され、倫理が10点未満だと足切りです。
社労士試験で選択式の足切りで苦しみ、本試験後は夜な夜な2ちゃん(当時)の救済スレに張り付き一喜一憂してたことを思い出してウッとなりますな・・・
形式は全て記述式、かつ、ボールペンで書く必要があります。
事例問題の一部と倫理は、200字とか250字とかの字数制限があってマス目の中に書かないといけません。
意外と時間が足りない・・・
ボールペン必須の記述試験は税理士試験で慣れてたはずなんですが10年近くたってるし、私が受けてたころの税理士試験では字数制限がほとんどなかったからそこがネックでした。
概要については以上です。
次回は試験の思い出を書こうと思いますのでよろしければしばらくお付き合いくださいませ。。。