結局ZOZO前澤氏からのお年玉って一時所得なの?贈与税対象なの?
最初に言っておきますとこの日記では答えは出ていません。条文を見て考えただけです。
前澤氏と貰った人とのやりとりを詳しく見ないとなんともいえない部分がある。
(見たとしても100%正解を出せる自信はありませんが・・・)
前澤氏のお年玉というのは皆さんご存知こちらのツイート↓
ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を先ほど突破!!日頃の感謝を込め、僕個人から100名様に100万円【総額1億円のお年玉】を現金でプレゼントします。応募方法は、僕をフォローいただいた上、このツイートをRTするだけ。受付は1/7まで。当選者には僕から直接DMします! #月に行くならお年玉 pic.twitter.com/cKQfPPbOI3
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) 2019年1月5日
早くも当選者が出てウキウキのインタビューが報道される中、
この100万がもし当たったと仮定するならどういう課税関係になるのか?
というのもひっそりと(?)話題になっています。
私も張り切って話題にしたりしました。
法人から→一時所得として所得税対象。源泉徴収あり
— 猫川税理士事務所 (@nekomageworld) 2019年1月6日
社長個人から→贈与税。年間通じて他の人から貰った金も併せて110万までは申告不要
こういうのって「個人からです」って言ってても実際はわからないから当たったら贈り主の正式名称を要確認。振込だったら名義でわかるけど現金だったら微妙かな
今日テレビでウキウキインタビューされている人の話によると振込らしいから名義はこれで判断できるかな。
法人から支払われる場合
ネットを見る限り、
ZOZOという会社からお金を貰うのであれば一時所得である、というのは皆さん共通しているみたいですね。
会社は源泉徴収をしてお金を払い、本人は支払調書をもらって一時所得として確定申告する。
源泉徴収について詳しく言いますと、
源泉徴収義務者(ざっくりいえば法人と人を雇っている個人事業主)が出す広告宣伝のための懸賞金は、50万円を超える部分について10.21%の源泉が必要ですので、
100万円の場合は
(100万-50万)×10.21 =51,050円
の源泉徴収が必要です。
源泉徴収については、100万から引かれるのかグロスアップして手取り100万になるように設定するのかは不明ですが・・・いずれにせよ確定申告が必要だからもし振込名義が法人だったら実際の支払総額と源泉税額の確認が必要だと思います。
個人から支払われる場合
で、もし前澤氏個人からのお年玉だった場合の課税関係については専門家の間でも意見が割れているのですよねー
・一時所得派
*リンクが切れてた。。。
・贈与税派
私は恥ずかしながら前澤氏個人からの場合は一時所得になるなんて考えたこともなかったのですが、確かに前澤氏が自分のブランディングのために行った懸賞と考えるとそれもアリな気がしてきた・・・・
迷ったときは条文を見よう!
*そもそも贈与なのか?を考える
まずは、所得税がかかるかどうかについてですが、所得税法に下記のような非課税規定があります。
所得税法第9条
次に掲げる所得については、所得税を課さない
(前略)
十六 相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの(相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の規定により相続、遺贈又は個人からの贈与により取得したものとみなされるものを含む。)
(後略)
つまり、お年玉が「個人からの贈与」にあてはまるのであれば所得税はかからず、贈与税の対象となるということですね。
(法人からの贈与はこの規定により所得税がかかるということです)
では贈与って何でしょう?
民法第549条によると
- 贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
とあります。
この意思表示がきちんと成立しているかどうかが重要なんですね。
そこが微妙であると一時所得派の方はおっしゃっているわけです。
*もし贈与じゃなかったとした場合、一時所得って何なの?を考える
では、一時所得の条文上の規定を見てみましょう。
一時所得
所得税法第34条
一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
2 一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。
3 前項に規定する一時所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。
・・・下線部がそれっぽい気がしますね。でも具体的にどんなものかはわかりにくい。
で、具体例として所得税法基本通達に以下の規定があります。
34-1 次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。
(1) 懸賞の賞金品、福引の当選金品等(業務に関して受けるものを除く。)
(2) 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く。)
(中略)
(5) 法人からの贈与により取得する金品(業務に関して受けるもの及び継続的に受けるものを除く。)
(後略)
つまり、お年玉が贈与ではなく、 この(1)の「懸賞の賞金品、福引の当選金品等」に該当すれば一時所得の対象となるということですね。
*結局どう考えるべきなのか?
今回の場合、「懸賞の賞金」と考えるか、「贈与」だと考えるのは非常に微妙、というかどっちとも取れるように思います。
「贈与」の場合、原則として贈与税は年間総額110万円まではかからないことになっているので、それ以外に贈与を受けてない人については保守的に見ると一時所得にして税金を払ったほうが安全ではあります。
確かに、抽選とかで当選者が決まった場合は懸賞である可能性が高まると思いますが、報道によると、今回はそういう偶発的なものではなく、希望者がリプとかで前澤氏に伝えた100万円の使い道などによりお金をあげる人を前澤氏自身が選択していたとのことなので、
もしその報道が100人全員に当てはまるのであれば私個人としては贈与のほうに傾くなあ・・・・
当選した方の中で、不安な方は税務署に照会をかけてみるのが一番良いと思います!税務署によって見解違ったりして・・・
(長々と書いたわりに無責任な結論ですみません)