政治献金と寄附金控除・・・「寄附金(税額)控除のための書類」について
恥ずかしながら私は今まで確定申告で政治献金の寄附金控除を扱ったことがありませんでした。
電話相談センターや対面の相談所でも聞かれたことがなかった。
なので、自分でやってみることにしたものの、領収書がなかなかもらえなくてヤキモキして色々調べた記録です。
1.献金先の要件
2.必要書類
を確認しなければなりません。
ここに詳しく書いてあります(国税庁タックスアンサー)↓
必要書類について抜粋しますと、
「総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会等の確認印のある「寄附金(税額)控除のための書類」(注)を受け取り、確定申告書に添付してください」
「(注) 確定申告書を提出するときまでに、上記「寄附金(税額)控除のための書類」が間に合わない場合は、「寄附金の領収書(写)」を添付して申告し、後日「寄附金(税額)控除のための書類」の送付を受けた後、速やかに税務署に提出してください。」
ということですが、私は
「寄附金(税額)控除のための書類」というのは政治家の人が手続きさえすればすぐ発行されるものだと思っていました・・・
しかし違った!
「寄附金(税額)控除のための書類」は、
政治資金規正法又は公職選挙法に基づく収支報告書で報告されたものについてのみ発行されます。
つまり、収支報告書が提出されないと発行されない。
収支報告書は、原則として暦年(1/1-12/31)で集計したものを、
国会議員関係政治団体は翌年5/31まで、
その他の政治団体は翌年3/31までに提出されます。
(選挙運動費用の収支報告書は投票日後15日以内)
・・・ということは、
たとえば国会議員に寄付したとしたら書類をもらえるのは5/31以降になる可能性が高いってことですね。確定申告に間に合うわけない。
だから
「(注) 確定申告書を提出するときまでに、上記「寄附金(税額)控除のための書類」が間に合わない場合は、「寄附金の領収書(写)」を添付して申告し、後日「寄附金(税額)控除のための書類」の送付を受けた後、速やかに税務署に提出してください。」
という文言があるわけですね。
後もう一点注意しないといけないことがあります。
「寄附金控除のための書類」の発行対象は、「収支報告書で報告されたもの」
一方で、
収支報告書の記載対象は、原則として「同一の人からの寄付が年間5万円を超えるもの」についてのみ、氏名・住所・金額等の詳細を記載することになっていますが
「寄附金控除のための書類」の発行をする場合は、金額にかかわらず記載が必要になります。
つまり、たとえば政治家に1万円寄付して書類について何も言わないと、
収支報告書に載らない=寄附金控除のための書類は永遠に送られてこないということです。(全員分を記載して全員に書類を送ることにしている人や政党もあるようですが)
また、政治家サイドについても、
1万円寄付してくれた人に「寄附金控除のための書類下さいね」と言われたのに忘れててあとでクレームきた場合、収支報告書自体を修正しないといけないことになります。
さすがにそんな人はいないでしょうが、ブームに乗って当選しちゃった新しい政党の人とかはありうる話だと思う。。。
しかし、裏を返せば、
寄附金控除のための書類をもらうということは、相手によってはインターネットで全世界に公開されてしまう収支報告書に自分の住所氏名職業が掲載されてしまうということです。
こんな感じで・・・↓
(総務省のHPから適当に取ってきて個人情報部分を消したものです)
何があっても支持政党を人に知られたくない!!って人は気をつけたほうがいいかもしれません。
収支報告書がネットで公開されるかどうかについては寄付先に確認してみてください。
*国会議員は提出をサボってない限り公開されます。
総務省|政治資金収支報告書|平成29年11月30日公表(平成28年分 定期公表)
まあでもこうやって見ると政治献金の寄附金控除ってよっぽどの金額でないと割に合わないかもですね。。。
・電子申告以外はほぼ100%申告後税務署に対して添付書類の差し替えを行わないといけない
・寄付したことが公開されてしまう
・(新人議員に寄付した場合)本当に領収書や書類が来るか心配しないといけない
・領収書が来なかったとき催促するのが心苦しい
寄附金控除のために寄附するわけではなく、純粋な応援の気持ちを持ってするべきなのかもですね。