四十路税理士日常日記

備忘を兼ねた日記です。内容は私見です

「退職所得の受給に関する申告書」が提出されなかった場合の住民税の特別徴収の話

表題の件、今までなぜか扱ったことがなく、ちょっと迷ってしまったのと

ググってみてはっきり書いてあるサイトが見当たらなかったので備忘のため書いてみます。

 

社員が会社から退職金をもらう際の源泉徴収については2パターンあります。

 

1)社員が「退職所得の受給に関する申告書」を記入・提出する場合(一般的なケース)

 

会社はその申告書に記載された情報(勤続期間や他社にもらった退職金があればその情報など)に基づいて退職所得の金額を計算し、それをもとに源泉所得税額と住民税の特別徴収額を計算し、それを差し引いて退職金を払います。

この手続きがちゃんとできていれば、退職金をもらった社員は確定申告しなくてOKです。

 

具体的な計算は本題からそれるので割愛しますが興味のある方は↓へ・・

No.2732 退職手当等に対する源泉徴収|源泉所得税|国税庁

総務省|地方税制度|平成25年1月1日以降の退職所得に対する住民税の特別徴収について

 

2)「退職所得の受給に関する申告書」の提出がない場合

これはレアケースだと思いますが・・・

たとえば非常勤役員や、色々掛け持ちで仕事していて他所から退職金をもらっていて、

よそからもらった金の情報を見せたくない人などは提出を断ってくる可能性があります。

 

会社は、所得税については、退職金の額面の金額に20.42%(復興税含む)を掛けた金額を源泉所得税額として差し引いて支払います。

退職金をもらった社員は、退職所得の源泉徴収票をもとに確定申告します。

 

で、住民税の特別徴収税額は???

住民税も額面の金額に10%掛けるの?多くない???

 

というわけで調べてみたところ・・・

額面の金額に10%、というわけではなく、

 

「退職金を払う会社での勤続期間・役員か否かに基づき退職所得の金額を計算して、それをもとに住民税の金額を算定してそれを差し引いて支払う」

 

のが正解だそうです。

 

これを明文化しているパンフレット等がネット上にないか探しましたがなかなか見つけられず・・

唯一、柏市のHPに明確に書いてありました!

www.city.kashiwa.lg.jp

 

 

一つの市からのみの情報だと、条例によるものではないかと言う心配もあると思いますので条文にも当たってみました。

 

地方税法第328条の6 第2項

「退職手当等の支払を受ける者がその支払を受ける時までに退職所得申告書を提出していないときは、前条第二項の規定により徴収すべき分離課税に係る所得割の額は、その支払う退職手当等の金額について第三百二十八条の二及び第三百二十八条の三の規定を適用して計算した税額とする。」

 

第三百二十八条の二というのは、課税標準についての規定で、退職所得の金額は所得税の例によって計算するという規定です。

第三百二十八条の三というのは税率の規定です。

 

つまり、退職所得申告書がでてなくても住民税の特別徴収の金額を計算するときは、今ある情報だけで所得税法の規定を使って退職所得の金額を計算するってことですね。

 

地方税けっこう奥が深いな・・・

税理士試験で住民税を選択したらこういうのもやるのかな?

日々勉強ですね・・・