四十路税理士日常日記

備忘を兼ねた日記です

作家さんは平均課税を知ると幸せになる(かも)

先日ツイッターで、

去年なんかの作品でブレイクした漫画家?小説家?の人が「作家は儲かってると言われるけど全然儲からない。事業として成り立たないから事業税がかからないんだ」的なつぶやきとともに現時点(6月かも?)での年間収支の円グラフを公表なさっていた。

それをみると収入が200万円行かないぐらいなのにたいして税金が200万円超、保険料が70万ぐらいだった。

 

税金すげー金額だなとは思うけど、税金のせいで赤字というのはもちろん数字のマジック。

去年ブレイクしたんなら3月に確定申告で所得税たくさん払うことになったんだろうし今年の収入に対する源泉徴収も税金の中に入っているんだろうし分納にしないなら6月に住民税や国民健康保険料も一年分くる。

自動車税も固定資産税も地域によって多少前後あるけどだいたい5月や6月にくる。

もしかしたら年金も一年分前納してるのかもしれない。

でもここでカウントしている収入は当然半年分。

引退した野球選手が税金で苦しむ話がよく漫画とかテレビとかで言われてる原因がこれ。

だから作家さんだけが冷遇されているわけじゃないのよ――

 

 

 

それはともかく、この方の税金を見て一番最初に思ったのは「平均課税使ったのかな?」ってこと・・・

 

平均課税とは、ざっくりいえば、所得税の計算上

作家さんの原稿料や印税、ミュージシャンの著作権使用料など、浮き沈みの激しい「臨時所得・変動所得」と呼ばれるものについては要件(臨時所得・変動所得の金額が全体の20%以上・その年の臨時所得・変動所得が過去2年の平均を超える等・細かいところは省略します)を満たすことによって、

所得を5分の1した金額で所得税の計算をし、それを5倍した金額を納税するというもの。

(注:臨時所得・変動所得となる所得は税法で定められた限られたものだけなので使われる場合はご確認ください。「印税」と名のつくものなら何でもいいわけじゃないようです)

 

たとえば所得が原稿料と印税のみのデビューしたての作家さんがいたとする。

突然大ブレイクしていきなり2,000万円の所得が出ちゃった!

って場合。

(ややこしくなるので各種控除や復興税については無視して計算してみます)

 

日本の所得税累進課税と言って所得が増えれば増えるほど税率が上がるしくみになっているので、

普通に申告したら、所得2,000万円の人の所得税率は40%だから、

2,000万円×40%-2,796,000円=5,204,000円

になる。

 

でも平均課税を使うと、2,000万円×1/5=400万円に対してまず税額を計算します。

所得400万円の人の所得税率は20%なので、

400万円×20%-427,500円=372,500円

372,500円×5=1,862,500円

 

となって、300万円以上も所得税が安くなります。

(消費税や住民税や国保料はこの規定はありません)

 

これは使わない手はない・・・!

 

3/15の確定申告の時に使い忘れていっぱい税金払っちゃった!って場合は更正の請求の手続きで取り戻せます。(時効:法定申告期限から5年)

 

心当たりのある方は申告をお願いしている税理士さんに聞いてみるか(万一適用し忘れてたら訂正として更正の請求してくれるはず)、

ご自分で申告なさっててそんなのしらねーよって方は↓の説明書(PDFがでます)見てわからなかったら税理士探すか税務署へGO!

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2016/pdf/15.pdf

 

たぶん、儲かってる税理士さんであれば件の作家さんに対して

「FF外から失礼します。失礼ですが税金がお高いようですが平均課税を適用なさっていますでしょうか?ご相談に乗れそうでしたらいつでもご連絡ください」

等、クソリプの誹りを恐れずガンガン行くんだろうな――と思いますが

私は仕事増やしたい気持ちよりクソリプマンと呼ばれるのが嫌な気持ちが強いためここで陰口のように日記書いてるだけです・・そりゃ売れてないわけだw